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弁護士の選任

エレイソン・コメンツ 第206回 (2011年6月25日)

「エレイソン・コメンツ」ではふつう個人的な問題には触れないことにしています.だが,筆者のドイツでの控訴審(7月4日)を前にある誤った事実が流布(るふ)していることが分かり,不要な心配を取り除くため実情を明確にする必要が生じました.その誤った事実とは,ドイツ国の私に対する「人種的扇動(せんどう)」の告発で,私が近年のドイツ史上最も論議を呼ぶ出来事について実際に起きた事実,誤った事実に基づいて抗弁(こうべん)したいと願っている,というものです.

実のところ,私が2008年11月,スウェーデン人ジャーナリストたちを前に「人種的扇動」について行った発言によりドイツで告発されるかもしれないと知った瞬間から,私はもしドイツの法廷で同じ発言を繰り返せば直ちに刑務所行きになる危険を冒すことになると知っていました.それがドイツの法律,法廷の現状です.だが,私はできることなら刑務所行きは免(まぬか)れたいと願っています.

そのため,私は当初から私の発言がドイツの視聴者向けになされたものでないことは明白であり,従ってドイツの法律は私の場合に適用されないという論拠に基づいて抗弁するようとの忠告に留意してきました.この点まではユーチューブに出て有名になったビデオクリップ(録画ビデオの一部)の終了直前の映像を見れば明らかです.映像は私のスウェーデンでのインタビューの最後の数分間を再現したものです.その上,私は発言の直後に,カメラなしでしたが,私を取材したスウェーデン人記者の所に行きインタビューの最後の部分を使用する際には「個別に」扱うよう強く求めました.この点は,もし彼らスウェーデン人記者たちが法廷で証言することになれば認めざるを得ないことなのですが,ドイツまで出向くよう強制できないため,彼らは証言することを拒んでいます.

私が弁護士を4度変えたことについては,聖ピオ十世会総長は初め,同会の弁護士であるマキシミリアン・クラー氏( Maximilian Krah )に弁護を依頼したのですが,同氏は個人的理由で反カトリック政党「緑の党」の党員であるマティアス・ロスマン氏を本件に携(たずさ)わるよう選任しました.彼はこつこつと努める良心的な人でしたが,この件にあまり乗り気ではありませんでした.私は友人たちを通じ,この種のデリケート(=微妙)な案件の扱いに熱心で高い実績のある弁護士ヴォルフラム・ナーラト氏(ウォルフラム・ナーラス(英語))を見つけましたが,ロスマン氏は彼と一緒に弁護を引き受けるのを嫌いました.私はロスマン氏の駆け引きの手法についてナーラト氏の政治的見解についてほどよく知りませんでしたし,苦境に置かれた自分にとって最良の弁護士が望ましいと考え,ロスマン氏からナーラト氏に替えました.

しかし,聖ピオ十世会総長が部下からナーラト氏の「弱点」を聞かされ,私に再度ほかの弁護士を探すよう命じました.総長にしてみれば,聖ピオ十世会と「極右派人物」の関係が公(おおやけ)になるのは同会にとって不利益になりかねないとの善意からの配慮でした.総長は新しいミサ典礼様式によるカトリック教(訳注・原文 “Novus Ordo Catholic”.第二バチカン公会議に則った典礼様式. )の保守派の長老ノルベルト・ヴィンゲルテル博士(ノーバート・ウィンガーター(英語))なら良いだろうと認めました.だが,現在流布している誤った事実はヴィンゲルテル博士から出てきた可能性があるようです.私にはどうしてそうなったのか分かりませんが,ヴィンゲルテル博士は私が法廷に出廷しドイツ史の中の例の出来事について真実,誤りを明らかにしたいと望んでいるとの誤った印象を持ったようです.幸い聖ピオ十世会総長はさらに別の弁護士の選任を認めてくれました.この弁護士は私が望む弁護のやり方について誤解していません.

親愛なる読者のみなさん,もしあなた方が(この裁判で)神の利益が危機に瀕(ひん)しているとお考えになるなら(誰しもがそう思うわけではないでしょうが),今から7月4日までのあいだどうか私の最新の弁護士のために神にお祈りください.彼は本件の解決に向けて懸命に取り組んでいますが,諸々のすさまじい反カトリック利権とその強力な奉仕者(=味方)たち,とりわけマスコミからの猛烈な重圧にさらされるかもしれません.

キリエ・エレイソン.

英国ロンドンにて.
リチャード・ウィリアムソン司教

神の御意思(お許し)のもと試練の最中(さなか)に置かれている
ウィリアムソン司教さまの心の平和を願い,
また,この度の裁判で司教さまの弁護を引き受けて下さった方の上に
神の御加護を願って,
「聖母マリアへのロザリオ・9日間〈ノベナ〉の祈り」とその意向(聖書の個所)を
追記します.

祈りの内容 :

・ロザリオの元后(聖母マリア)への54日間のロザリオ・ノベナの祈り

構成 :

①「願い」をこめて,ノベナ〈9日間の祈り〉を3回くりかえして(計27日間)祈る.

②その後「感謝」をこめて,再びノベナを3回くりかえして(計27日間)祈る.

両方合わせて54日間,ロザリオ15連(3玄義〈喜び・苦しみ・栄え〉各5連)を毎日一連ずつ祈る.)

* この祈りについての詳しい解説も付けて記載します.

参照文献

「聖母マリアへのロザリオ9日間の祈り」
チャールズ・V・ラッキー(著)/ 聖母の騎士社(発行)

祈りの意向:

Ⅰ  新約聖書・マテオによる聖福音書:第8章13節

Ⅱ  同・ヨハネによる聖福音書:第14章27節

Ⅲ  同・聖パウロによるコロサイ人への手紙:第2章1-10節

Ⅳ  同:第3章12-17節

✾ 神に向かう真剣な祈りは奇跡を生みだします.✾

『 あなたたちの中に苦しんでいる人がいるなら,その人は祈れ .
喜んでいる人がいるなら,その人は賛美を歌え.
病気の人がいるなら,その人は教会の長老たちを呼べ.
*¹彼らは主のみ名によって*²油をぬってから祈りをとなえる.
*³そして信仰による祈りは病気の人を救う.
主は彼を立たせ,もし罪を犯しているなら,それをゆるされるであろう.

互いに罪を告白し,治されるために互いに祈れ.
*⁴ 義人の熱心な祈りがあれば効果がある .
*⁵エリア(旧約の大預言者)は私たちと同じ人間であったが,雨が降らないように祈ったので,三年六か月の間地上に雨が降らなかった.そしてまた祈ったので,天は雨を与え地にはその実がみのった.

兄弟たちよ,あなたたちの中に真理から迷った者がいて,ある人がそれを連れもどしたとしよう.
一人の人を迷いの道から連れもどす人は,自分の霊魂を死から救い,多くの罪を消すことを知れ .』

(新約聖書・ヤコボの手紙:第5章13-20節)

(注釈)

油をぬること (5・13-20)
*¹ キリストの命令と権威によって.

*² 終油の秘跡(マルコ聖福音6・13).

*³ ヤコボはイエズスがどんなに病人をいたわられたかを知っている (マテオ聖福音8・5-13,ルカ聖福音7・1-10,ヨハネ聖福音4・43-54).

*⁴ 〈旧約〉創世の書22・23,詩篇144・18-19,格言の書15・29.ブルガタ(ラテン語)では「 絶えざる祈り 」.

*⁵ 〈旧約〉サムエル(上)17-18章,シラ48・1-3参照.

祈りの意向(聖書からの引用箇所)

①新約聖書・マテオによる聖福音書:第8章13節(太字下線部分)

『イエズスがカファルナウムに入られると,一人の百夫長が来て,「主よ,私の下男が家で寝ています.中風でたいへん苦しんでいます」と言った.イエズスは「私が行って治そう」と言われた.
百夫長は,「 主よ,私はあなたを私の屋根の下に迎える値打のない人間です.あなたがただ一言おっしゃってくだされば私の下男は治ります .
私自身も権威の下についていますが,私の下にも兵卒がいます.そして,こちらの者に〈行け〉と言えば行き,あちらの者に〈来い〉と言えば来ます.また下男に〈これをしろ〉と言えばそうします」と答えた.
これを聞いて感心されたイエズスは,ついてきた人々に向かって,
「まことに 私は言う.イスラエルのだれにも,私はこれほどの信仰を見たことがない .
私は言う.多くの人が東西から来て,アブラハム,イサク,ヤコブとともに天の国の宴席に入るが,国の子らは外のやみに投げ出され,そこで泣いて歯ぎしりするだろう」と言われ,百夫長に向かって,「 行け.あなたが信じたとおりになるように 」と言われた.下男はそのとき病気が治った.』

(注釈)

百夫長の下男 (8・5-13)
*¹ 永遠の生命は,よく宴会(えんかい)にたとえられる.

*² 「国の子」とはユダヤ人である.彼らは天の国に対して,異邦人よりも権利をもっていた. しかしキリストを信じないから永遠の宴席から追い出され, 百夫長のように 信仰あつい異邦人がそれに代わる であろう.

②新約聖書・ヨハネによる聖福音書:第14章27節(太字下線部分)

(十字架につけられる前日,最後の晩餐(ばんさん)・洗足(弟子たちの足を洗う)・ユダの裏切り・ペトロの否みの預言の後で,イエズスが弟子たちに話された
みことばの初めの部分)

第14章・全章(1-31節)

弟子らを慰める
『心を騒がせることはない.神を信じそして私(イエズス)をも信じよ.*¹ 私の父の家には住みかが多い,もしそうでなければあなたたちに知らせていただろう. 私はあなたたちのために場所を準備しに行く.そして, *² 行って場所を準備したら,あなたたちをともに連れていくために帰ってくる.私のいる所にあなたたちも来させたいからである .
私がどこに行くかは,あなたたちがその道を知っている」と言われると,トマが,「主よ,私たちはあなたがどこに行かれるかを知りません.どうしてその道がわかりましょう」と言った.

するとイエズスは言われた,
「*³ 私は道であり,真理であり,命である.私によらずにはだれ一人父のみもとには行けない.私を知れば私の父も知るだろう .
だがあなたたちは父を知っている,すでに父を見たのだ」.フィリッポは,「主よ,私たちに父をお見せください.それだけで十分です」と言った.

イエズスは言われた,
「フィリッポ,私はこんなに長くあなたたちとともにいたのに,まだ私を知らないのか.私を見た人は父を見た.それなのに,どうして〈父をお見せください〉と言うのか.*⁴私が父におり,父が私にましますことをあなたは信じないのか.

私が話していることばは,自分で話しているのではなく,私にまします父がそのみ業を行っておられる.
私を信じよ,私は父におり,父は私にまします.せめてそれを私の業によって信じよ .』

聖霊の約束
『まことにまことに私は言う.
*⁵ 私を信じる者は,私のするようなことを行うであろう.そればかりか,もっと偉大なことを行うだろう,私は父のもとに行くからである.

あなたたちが私の名によって願い求めることはすべてかなえられ,父が子において光栄を受けたもうように私が計らう.あなたたちが私の名によって何かを願い求めるなら,私が計らおう.

あなたたちは *⁶私を愛するなら私のおきてを守るだろう.そして私は父に願おう.そうすれば,父はほかの弁護者をあなたたちに与え,永遠にともにいさせてくださる.それは真理の霊である .
世はそれを見もせず知りもしないので,それを受け入れない.
しかしあなたたちは霊を知っている.霊はあなたたちとともに住んで,あなたたちの中にいますからである.
私はあなたたちを孤児にしてはおかない,ふたたび帰ってくる.
*⁷もう少しすれば,世は私を見なくなる.しかしあなたたちは私を見るだろう.それは私が生き,あなたたちも生きるからである.
*⁸その日には,私が父におり,あなたたちが私におり,私があなたたちにいることを知るだろう.
私のおきてを保ちそれを守る者こそ私を愛する者である.私を愛する者は父にも愛され,私もその人を愛して自分を現す 」.

*⁹イスカリオトでないユダが,「主よ,この世にではなくて私たちに,あなたがご自分を現されるのはなぜでしょうか」と聞くと,イエズスは言われた,
「 私を愛する者は私のことばを守る.また父もその者を愛される.
そして私たちはその人のところに行ってそこに住む.私を愛さない人は私のことばを守らぬ.
あなたたちが聞いているのは私のことばではなく,私を遣わされた父のみことばである .
私はあなたたちとともにいる間にそのことを話した.
だが, 弁護者すなわち父が私の名によって送りたもう聖霊は,すべてを教え,あなたたちの心に私の話したことをみな思い出させてくださるだろう .』

弟子たちに平和を残す
『 私はあなたたちに平和を残し,私の平和を与える.私はこの世が与えるようにしてそれを与えるのではない.心配することはない,恐れることはない .
〈私は去ってまた帰ってくる〉と私が言ったのをあなたたちは聞いた.もし私を愛しているなら,私が父のもとに行くのを喜んでくれるはずである.*¹⁰父は私よりも偉大なお方だからである.私はことが起こるとき信じるようにと,ことが起こる前にこうあなたたちに話しておいた.

*¹¹この世のかしらが来るから,私はもう長くあなたたちと話し合わぬ.
彼は私に対して何もできぬが, 私が父を愛しており,父の命令のままに行っていることを,この世は知らねばならぬ .立て,ここを出よう」.』

(第14章の注釈)

弟子らを慰める (14・1-11)
*¹ イエズスはその死をもって天の門を開きに行かれる.その後帰って弟子らを天国に導かれるであろう .

*² 教会の希望は,このキリストの約束の上に立っている (〈新約〉ティモテオ手紙(第一)4・16以下,コリント手紙(第一)4・5,11・26,16・22,黙示22・17,20,ヨハネ聖福音12・28).

*³ イエズスは,
御父のことを啓示する「道」 であり(11・18,12・45,14・9),
御父が喜ばれる霊の宗教を教える「真理」 であり(4・23以下),また,
永遠の命が,み子に宿る御父のことを知るところにあるという意味で,「命」 である(17・3).

*⁴ イエズスは父との同等を宣言された.み子は御父におられ,御父はみ子においでになることを知るのは信仰である .

聖霊の約束 (14・12-26)
*⁵ 奇跡をしるしとする救いの使命は,弟子たちに受け継がれる.弟子たちは,キリストが送る聖霊によって特能を受ける(7・39,16・7).

*⁶ イエズスは,神と同様に愛され服従されるお方である.その権威を示された .

*⁷ 世間は,一度亡くなられたイエズスを忘れ去ってしまうだろうが, しかし弟子たちは,復活したキリストを霊的に見て,信仰によってそれを見続ける (20・29).

*⁸「その日」はイエズスの復活に続く日々のことをいう.

*⁹ ヤコボの兄弟のユダ(ルカ聖福音6・16,使徒1・13),タダイ(マテオ聖福音10・3,マルコ聖福音3・18)と同じ人.

弟子たちに平和を残す (14・27-31)
*¹⁰ 神として父と平等であるが,人間としてイエズスは父の下にある.

*¹¹ この世のかしらは悪魔である.悪魔はけっしてイエズスの命に手をかけることができない,もしイエズスが自ら死を迎えなかったならば.

③新約聖書・聖パウロによるコロサイ人への手紙:第2章1-10節(6-7節に太字下線)

④同:第3章12-17節(太字下線部分)

(2章はじめから最後(4章終わり)まで記載)

第2章

パウロの使命
あなたたちと,ラオディキアにいる人々と,*¹直接私を見たことのない他の人々にも,私がどれほどの戦いをしているかを知ってもらいたい.それは彼らの心が慰められ,愛において結ばれ,完全な知識のすべての富に満たされるためであり,*²神の奥義であるキリストを深く知るためである.知恵と知識のすべての宝はキリストに隠されている .

偽の教え
*³私がこう言うのは,うまい話であなたたちをだます者がだれもいないようにするためである.私は体ではあなたたちと離れているが,霊においてともにいて,*⁴あなたたちの秩序あることと,キリストへの信仰の強さを喜んで見ている.
あなたたちは自分が受けたとおりのキリスト,主イエズスにおいて歩まねばならない .
主に根ざし,主の上に建ち,また,自分に教えられたとおりの信仰を固め,あふれるばかりに感謝せよ .

キリストの救い
キリストの上に基づかず,人の言い伝えと*⁵世の要素に基づく*⁵むなしい惑わしにすぎない哲学によって,あなたたちを餌食にしようとする人々を警戒せよ.
キリストにおいては,神性の満ち満ちたものがすべて体の形をとって宿っている .
あなたたちは*⁶権勢と能力のかしらであるキリストにおいて満たされた .
また,あなたたちは肉の体を脱することによって,キリストにおいて,人の手によらぬ割礼を受けた.それは*⁷キリストの割礼である.
あなたたちは,*⁸ 洗礼の時キリストとともに葬られ,洗礼の時キリストを死者の中からよみがえらせた神の力への信仰によってまたキリストとともによみがえった .
罪のために,また肉の割礼がないために死んでいたのに,神はあなたたちのすべての罪をゆるし,キリスとともに生かされた.
私たちを責め,私たちに反していた*⁹戒めの書を神は消し,それを取り去って十字架につけ,*¹⁰権勢と能力をはいで公にさらしものにし,キリストの勝利の捕虜として引き連れられた.

偽りの神秘主義
だから,*¹¹飲み物,食べ物,祝い,初日,安息日について,だれからも非難されるな.これらはいつか来るはずのものの影にすぎず,その本体はキリストである.謙遜を装い,*¹²天使たちを崇拝する者に自分の報いを奪われるな.彼らは自分たちの見る幻に迷い,肉の考えに従ってむなしくおごる.*¹³体全体は神における成長を実現するために,かしらから節々と筋を通じて,栄養と統一を受けるのであるが,彼らはそのかしらについていない.
あなたたちがキリストとともに*¹⁴世の要素に死んだのなら,なぜまだ世にいるかのように*¹⁴戒めに身をゆだねるのか.「食べるな,味わうな,触れるな」.それらのことはみな,使うに従ってなくなるものであって,人間の教え命じる事柄である.それらは自発的な崇敬と謙遜と体に対する厳しさを表す知恵あるもののように見えるが,実は肉の欲に対しては何の役にも立たない.

(第2章の注釈)

パウロの使命 (1・24-2・3)
*¹ パウロはラオディキアとコロサイにまだ行かなかった.

*² 「キリストにおいて神の」「キリストの父なる神の」「父なる神およびキリストの」とある古写本もある.

偽の教え (2・4-7)
*³ 8節以下に話す事柄をここで準備する.

*⁴ 聞く人を喜ばせることば.後で苦言を呈さねばならないので.

キリストの救い (2・8-15)
*⁵ ガラツィア4・8,5・1参照.

*⁵ ユダヤ人の偽教師のギリシア哲学を借りた教え.

*⁶ 権天使,能天使.

*⁷ 洗礼のこと.

*⁸ 洗礼の時に水に浸すのは,罪に死ぬことのかたどりである.

*⁹ 神は人間への死の判決をみ子(キリスト)によって取り消された.

*¹⁰ 悪霊のこと(〈新約〉エフェゾ手紙6・12).

偽りの神秘主義 (2・16-23)
*¹¹ ユダヤ教からのキリスト信者が問題にしていたモーゼの規定のこと.これはキリストによって廃せられた.

*¹² ユダヤの偽教師の教えを暗示する.

*¹³ 神秘体のかしらキリストのこと.

*¹⁴ 宗教的な教えの初歩であるモーゼの律法のこと.

*¹⁴ 律法の戒め.

第3章

あなたたちがキリストとともによみがえったのなら,上のことを求めよ.キリストはそこで,神の右に座したもう.
地上のことではなく上のことを慕え.あなたたちは死んだ者であって,その命はキリストとともに神の中に隠されているからである. 私たちの命であるキリストが現れる時,あなたたちも光栄のうちにキリストとともに現れるであろう.

肉の肢体を抑えよ.淫行,汚れ,情欲,邪欲,偶像崇拝である肉欲, これらが神の怒りを呼ぶ .その中に暮らしていたときには,あなたたちもそのように行っていた.
しかし今はすべてこれらのこと,怒り,憤り,悪意,そしり,みだらな話を口から捨てよ.互いにうそを言うな.
あなたたちは古い人間とその行いを脱ぎ,新しい人間をまとった.
この新しい人間は,自分を造ったお方の姿に従い,ますます新しくなって深い知識に進む.
そこにはギリシア人とユダヤ人,割礼と無割礼,蛮人とシツィア人,奴隷と自由民の区別はもうなく,キリストがすべてであり,すべてのうちにまします .

ゆえに 神に選ばれた者であるあなたたちは,聖なる者,愛される者として,深い慈悲,情け,謙遜,柔和,寛容をまとえ .互いに忍び,他人に不平があってもゆるし合え. 主がゆるされたように,あなたたちもそうせよ .

だが何よりもまず愛をまとえ.愛は完徳のかなめである .
心をキリストの平和につかさどらせよ.あなたたちを一つの体に集めたお召しの声がそれである.そして感謝をもて .

キリストのみことばをあなたたちの中に豊かに住まわせ ,すべての知恵によって教え合い,戒め合い,心の底から,恩寵によって詩の歌と賛美の歌と霊の歌をもって神を寿(ことほ)げ.
あなたたちがことばと行いをもってすることはすべて,キリストによって,父なる神に感謝しつつ,主イエズスのみ名によって行え .

妻たちよ,主にふさわしいように自分の夫に従え.夫たちよ,妻を愛せよ,苦々しくあしらうな.
子どもたちよ,すべて両親に従え.それは主に喜ばれることである.
父たちよ,子どもを怒らせるな.彼らを落胆させないためである.

奴隷たちよ,すべてにおいてこの世の主人に服従せよ.
人の気に入ろうとして目の前だけで仕えず, 主を恐れる純朴な心をもって仕えよ .
ことをするときいつも,人のためではなく,主のためにするように真心から行え .
あなたたちは報いとして主から遺産を受けることを知っている.
実にあなたたちは主キリストの奴隷である.
不正を行う者は,その不正の報いを受けるであろう.(神は)人を区別されることがない.

(第3章の注釈)

キリストによる新生活 (3・1-17)
*¹ 洗礼によってキリストとともに死んだ.

*² 「あなたたちの命…」とある古写本もある.

*³ 「貧欲」と訳すのもある.

*⁴ 9-10節 ローマ6・6,エフェゾ4・22,24参照.

*⁴ 神にかたどって創られた人間 (〈旧約〉創世の書1・26以下)は, 神のみ旨以外のところに善悪を求めて滅びに至った .
彼らは 罪の奴隷 となり, 死ぬべき「古い人」 となった.
「新しい人」,神の姿であるキリストによって,つくり直される.
こうして新しい人は,本来の正しい人間にもどり,真の倫理的認識をもつことができる .

*⁵ シツィア人は当時 もっとも未開の人 であった.

*⁶ キリストの教会では,民族,宗教,文化,社会階級の差が廃される.キリストにおいて全人類の一致が実現する (ガラツィア3・27-28).

*⁷ すべての徳は愛に根ざす .

*⁸ キリストの体またはキリストの神秘体 .

家庭の人たちに(3・18-4・1)
*⁹ この節以下にキリストの愛という見地に立って生きる自然倫理が説かれる(エフェゾ5・22).
*¹⁰ 奴隷について(コリント手紙(第一)7・20-24,エフェゾ手紙5・6以下,ティモテオ手紙(第一)6・1-2,フィレモン手紙).

*¹¹ 労働の超自然的意向.

*¹² 翻訳写本にだけあることば.

第4章

家庭の人たちに
*¹主人たちよ,あなたたちも天に一人の主があることを知って,正義と公平をもって奴隷たちを扱え.

使徒のために祈る
警戒し,感謝しながら絶えず祈れ.特に私たちのためにも祈れ.
神がキリストの奥義を告げるために,私たちに宣教の門を開かれるように.私はそのために鎖につながれている.
私が話さねばならぬことばでキリストを宣言できるように祈れ .
今の時をよく利用し,*²外の人に対して賢明にふるまえ.ことばはいつも愛想よく,*³塩で味つけられているようにせよ.そうすればあなたたちには,一人一人にどう答えねばならぬかが分かるだろう.

ティキコを遣わす
主において愛する兄弟であり,忠実な奉仕者であり,私とともに奴隷である*⁴ティキコが,私のことをすべてあなたたちに知らせるであろう.私がこの人をあなたたちの下に送るのは,私たちのことを知らせ,またあなたたちの心を慰めるためである.あなたたちの同郷人である忠実な愛する兄弟*⁵オネジモも彼とともに送る.二人はこちらのことをつぶさに知らせるであろう.

あいさつ
捕らわれの私の仲間である*⁶ アリスタルコ と,バルナバの従兄弟(いとこ)の*⁷マルコが,あなたたちにあいさつを送る.
この マルコ についてあなたたちはすでに指図を受けているのであるから,彼があなたたちの所に来るときには喜び迎えよ.
*⁸ユストといわれる イエズス からもよろしく.彼らは割礼者であるが,私とともに神の国のために働いた.
私の慰めとなっているのはこの三人だけである .

あなたたちの同郷人で,キリスト・イエズスの奴隷である*⁹ エパフラ からもよろしく.
彼は祈りのうちに絶えずあなたたちのために戦い,あなたたちが完全になって,神のすべてのみ旨を果たすことを願っている.
彼があなたたちと*¹⁰ラオディキアと*¹⁰ヒエラポリスにいる人々とのためにひどく苦労していることを,私は保証する.

愛する医者の*¹¹ ルカ からよろしく.また*¹²デマからも.
ラオディキアの兄弟たちと*¹³ニンファとその家にある教会によろしく伝えよ.

この手紙をあなたたちの間で読んだなら,ラオディキアの教会にも読ませよ.あなたたちはまた*¹⁴ラオディキアに送った手紙を読め.また,*¹⁵アルキポに「主から受けた奉仕の役をよく果たすように注意せよ」と言え.

私パウロが自筆であいさつを送る.私の鎖(くさり)を思い出せ .
恩寵があなたたちとともにあるように.

(第4章の注釈)

家庭の人たちに (3・18-4・1)
*¹ 社会道徳の超自然的原理.これがなければ社会の正義はない .

使徒のために祈る (4・2-6)
*² キリスト信者でない人々(〈新約〉テサロニケ手紙(第一)4・12).

*³ 聖書では超自然を味わわせる知恵のことを塩という.

ティキコを遣わす (4・7-9)
*⁴ 〈新約〉使徒行録20・4,エフェゾ手紙6・21参照.

*⁵ フィレモンの手紙に出る奴隷のオネジモ.

あいさつ (4・10-18)
*⁶ アリスタルコはテサロニケのマケドニア人(使徒19・29,27・2,フィレモン手紙24節).
捕らわれているパウロを助けていた人.

*⁷ 使徒15・37,39. 第二福音史家マルコ(=聖マルコによる聖福音書の著者).

*⁸ 詳しくはわからないが,ギリシア・ローマ時代にユダヤ人の間によくあったあだ名(使徒1・23,18・7).

*⁹ 1・7参照.

*¹⁰ 二つともコロサイに近い町.

*¹¹ 福音史家のルカ(聖ルカによる聖福音書の著者).

*¹² フィレモン24節,ティモテオ手紙(第二)4・10参照.

*¹³ ニンフォドロの略称,男性の名.

*¹⁴ 今はこの手紙はない.ある聖書学者はエフェゾ人への手紙のことだという.

*¹⁵ フィレモン手紙2節参照.