エレイソン・コメンツ 第491回 (2016年12月10日)
私たちはトランプのために祈らなければなりません.
11月の当選以来,彼は神の御加護を必要としています.
11月,アメリカ合衆国大統領に選出されたドナルド・トランプについて最も重要な点は何かと言えば,何年も続いたリベラル(自由主義的)な政府からの一時的救済(いちじ てき きゅう さい)を神がお与えになったということです.だが,アメリカ人自身が全能の神に真摯(しんし)に立ち戻らない限り,合衆国を滅(ほろ)ぼす力(ちから)を有(ゆう)するリベラル派が再び戻(もど)り,この一時的猶予(ゆう よ)を完全に押し流してしまうでしょう.仮にヒラリー・クリントンが当選していたなら,まさしくそうなっていたはずです.
今日(こんにち),政治を全能の神に照らして考える人々が少なくなっているのは事実(じじつ)ですが,これこそが問題なのです.神を生活,とくに政治から締め出す(しめ だす)のは,フリーメーソンとリベラル派が18世紀末いらい推(お)し進(すす)めてきた運動です.神(かみ)からの解放(かいほう)は( “Liberty from God …” )彼らの代替宗教(だいたい しゅうきょう),すなわち世俗的(せぞくてき)ヒューマニズム( “secular humanism” )を広めるための運動( “… has been the crusade of their substitute religion, …” )です.同じように20世紀には,名乗る,名乗らないにかかわりなく共産主義(きょうさん しゅぎ) “Communism” が自然を踏(ふ)みにじりました( “against nature” ).なぜなら,教皇ピオ11世( “Pius XI” )が言われたように共産主義 “Communism” は物質主義(ぶっしつ しゅぎ)のメシア(=救世主〈=キリスト〉)信仰( “the messianism of materialism” )ですから,宗教と同じような作用を持つからです.そして,リベラリズムと共産主義こそが,西側世界が数百年ものあいだ左傾化(さけい か)( “tilting to the left” )を続けてきた原因なのです.
さらに,アメリカ大統領選挙で多数の有権者(ゆうけんしゃ “voters” )が負けた候補者( 訳注 4 : ヒラリー・クリントン)に投票したのも間違いなくそれが原因です.彼女は虚言(きょげん “lying” ),不品行(ふ ひんこう “immorality” )また裏切り(うらぎり “treason” )で全土に知れ渡(しれわた)っていました.彼女の犯罪歴(はんざい れき)は悪評高(あくひょう たか)く,中には夫と共謀(きょうぼう)して彼らの野心(やしん),経歴の邪魔(けいれき の じゃま)になる( ” had got in the way of their ambition and careers” )男性,女性15人以上を殺害(さつがい)したことに関わったとの容疑(ようぎ)が含まれています.一応(いちおう)まともな人々なら,どうして彼女に投票(とうひょう)しようなどと考えたのでしょうか.まして,全有権者の半数以上が彼女に投票したなんてどうしてでしょうか(彼女は必要な選挙人数は得られませんでしたが).アメリカ政界の有力なコメンテーターであるポール・クレイグ・ロバーツ( “Paul Craig Roberts” )はこの疑問(ぎもん)にどう答えたものかと首をかしげていました.彼女が神に対する戦いを体現した( “… that woman incarnated the war against God” )からだというのが,口に出さない答えだったに違いありません.リベラル派にとって,自由は彼らの宗教( “liberty is their religion” )です.彼女が神のあらゆる戒め(いましめ)を誇(ほこ)らしげに破(やぶ)ったというのは,彼女にとって敵対的でなく,好意的な言い方でした.なにしろ彼女はリベラリズムの聖人( “a Saint of liberalism” )なのですから.
さて,彼女に勝ったドナルド・トランプです.彼はどう見ても,とくに信心深い “godly” 人物ではないようです.そして,彼も色々な面でリベラルです.今日,リベラルでない人がいるでしょうか? だが,トランプはかつて最良(さいりょう)のアメリカとアメリカ人に典型的(てんけいてき)に見られた古風(こふう)な良識(りょうしき),寛大(かんだい)さを十分に心の中に持ち合わせています( “… a good dose of that old-fashioned decency and generosity which used to be typical of the best in America and Americans” ).したがって,彼は不信心な “ungodly” 人たちに対し本能的に敵対します.彼は一連のリベラル派大統領の下で独(ひと)りよがりのリベラル派が何年もまともなアメリカ人を踏(ふ)みにじってきたことにうんざりして,「この国が私に与えてくれたものを少しなりとも国に恩返(おんがえ)しするため」( “to give back to this country some of what it has given to me.” )政治に足を踏み入れました.ウォレス知事( 訳注 5・1 : 1987年まで4期アラバマ州知事を務めた)以来,「共和党と民主党の差は10セントの( “a dime’s” )価値もない」と言われるほど何年も事実上の一党体制( “a one-party System” )が続いてきたため,トランプはこの体制に強く反発し,人々の欲求不満を代表して出馬(しゅつば)しました.そして,多くのまっとうな( 訳注 5・2 : 「まっとうな」=「真っ当な」(→当て字)=「全く」=「まともな」「まじめな」)有権者が彼を当選させました.だが,この体制は怒りをはらんだものです.
したがって,私たちはこれから真剣に考えなければなりません.トランプ(次期大統領 “President-elect” )を当選させたのは,リベラルなイデオロギーに反対するまともな人々の本能の力です.だが,イデオロギーに本能で立ち向かうのは豆鉄砲(まめでっぽう)で戦車と戦うようなものですから,これは線香花火(せんこう はなび)のような一時的な成功にすぎません.間違ったイデオロギーと戦うには本物のイデオロギー持つ必要があります.そして,神に対する戦いに対応するには神との平和が必要です.その平和は神の条件に基づくもので,人間の条件に基づくものではありません.神は全能で,限りなく善良です.神は敵が為(な)そうとする最悪のことを,いわば指先一つで元へ戻されます.だが,神は自(みずか)らがお救いになる人々が悪魔のもとへ戻ると知れば,悪魔のシナゴーグ (訳注後記 6 ) に勝利を与えることはありません.人々は悪魔から離れ,欺(あざむ)くことのできない神に真心を込めて立ち戻らなければなりません.
ドナルド・トランプが最小限しなければならないことは,ACTSをもって祈ることです.それは,崇拝(すうはい)( “Adoration” ),改悛(かいしゅん)( “Contrition” ),感謝(かんしゃ)( “Thanksgiving” ),懇願(こんがん)( “Supplication” )です.神は彼と共にあり,今回の一時的救済を与えられました.私たちすべては,この一時的猶予が長続きするよう私たちの祈りの中にトランプとプーチン大統領を含めましょう.さもなくば,それは直(じき)に終わってしまうでしょう.
キリエ・エレイソン.
リチャード・ウィリアムソン司教
(訳注 6 )
「シナゴーグ」
=ユダヤ教徒の礼拝所・会堂・または集会所.もとは「集会」を意味するギリシャ語から.(国語〈日本語〉辞典「大辞林」参照.)